2024/02/27
台湾有事とは?台湾総統選挙や中国・米国の動きによる金相場への影響
台湾有事がニュースで話題になって気になっていませんか。台湾での総統選挙もあって、さらに不安が募っている人もいるでしょう。
この記事では台湾有事とは何かを紹介した上で、今後の金相場への影響について考察した結果を紹介します。
目次
台湾有事とは
台湾有事とは台湾の独立国としての位置付けと、古くから存在する中国との関係によって有事が発生することです。広い意味では台風や津波などの自然災害や疫病によるパンデミックなども有事に含みますが、近年大きな話題になっているのは中国とのしがらみによる有事です。
中国は台湾を不可分の地域として、中国の一部に含まれることを昔から主張しています。2005年には台湾独立派の抑制のために反国家分裂法を制定し、武力的手段を用いて台湾独立を抑制する動きを強めています。
台湾は現在「中華民国」として位置付けられていますが、中国が台湾に軍事侵攻するのではないかと懸念されています。
迫りつつある台湾有事の危機
台湾有事の危機は反国家分裂法以前から存在していました。台湾海峡危機とも呼ばれる1996年の事件ではミサイルによる威嚇攻撃もおこなわれています。その後も繰り返し緊迫状態に陥ることがありましたが、大事に至ることはありませんでした。
最近の事例では2023年8月の米国ペロシ下院議長が台湾訪問をしたことで緊張状態が続いています。中国による反対があったにもかかわらず、ペロシ下院議長が台湾を訪問したのは民主主義国としてのアメリカを守ることも目的でした。共産主義の中国からの独立を測り、民主主義を目指す台湾に表敬訪問することで中国を牽制する意図もあったでしょう。
この動きによって台湾有事に米国が関与する可能性が高まりました。中国では米国による台湾訪問を受けて、台湾海峡の境界線を越えて軍事演習をする強硬行為をしています。
このような状況から厳しい緊張状態が発生しました。この事件の後、米中両国の間でも軍事行動に関する緊迫関係が続いていて、台湾有事の引き金になると懸念されています。
日本は台湾有事と切り離せない関係
日本は中国とも台湾とも国交があります。米国についても言うまでもなく、台湾有事が発生して各国の状況が変わると社会に大きな影響があるのは明らかです。
2024年1月10日には米国を訪問していた麻生太郎自民党副総裁は「台湾有事が日本の存立危機事態だと日本政府が判断する可能性が極めて大きい」と発言しています。
存立危機事態とは日本と密接な関係がある国に対して武力攻撃が発生したことで日本や国民が脅かされる際に、日本も武力行使をする立場を取るという意味です。2023年から続いている緊張状態に対して、日本として台湾有事の抑止の必要性を主張しています。
2024年1月の台湾総統選挙と台湾有事の関係
2024年1月13日に開票された台湾総統選挙は台湾有事に大きな影響があったイベントです。
台湾総統選挙では与党である民主進歩党の頼清徳氏が勝利しました。当初は中国・米国の緊張状態の影響もあって票が割れるという懸念がありました。
少数与党になって政権が不安定になると、中国にとっては進行しやすい状況になります。野党の分裂によって最悪の事態は避けられましたが、民主進歩党は立法院で過半数の議席を獲得できない状況になっています。
総統選挙の結果は台湾有事に大きな影響があるので、今後の可能性を理解しておくことは重要です。
台湾が中国と距離を置く方針は維持
台湾総統選挙で明らかなのは、台湾の人々が全体としては中国と距離を置くと決めたことです。台湾総統選挙で選ばれた民主進歩党の頼清徳氏は中国に対して強硬的な態度を示しています。
中国の一部になるのではなく、中華民国という立場を選ぶ人が多かったことがわかります。台湾が望んで中国に完全に融合される道を歩むという選択はなかったと理解できるイベントでした。
台湾有事のリスクは不透明
台湾総統選挙の結果を受けて台湾有事が直接的に誘発されることはありませんでした。野党から台湾総統が当選すると今後の動きが激しくなるリスクがありました。
しかし、今回の台湾総統選挙では与党がそのまま政権を保ったことを意味するので、平たく言えば現状維持になっています。
ただ、中国では頼清徳氏に対して台湾独立をする勢力として注視しています。中国が今回の総統選挙の結果を踏まえて、強硬的な手段への備えを強化する可能性は否定できません。
一方で、米国のバイデン大統領は中国の習近平国家主席との対談によって平和な関係に向かう動きを示しています。米中の緊張緩和に向かう可能性が切り開かれ、台湾有事のリスクが下がっているという解釈をすることも可能です。
台湾総統選挙による台湾有事への影響はまだ不透明です。今後の三国の動きを見て判断する必要があります。
台湾有事の金相場への影響
台湾有事の発生が懸念される緊張状態になったときや、実際に台湾有事が発生したときには経済が動きます。有事が発生した場合には金相場は上がるのが一般的な傾向です。経済が不安定になると予想されるため、株価が激動するリスクがあるからです。
中国が台湾に武力行使をしたり、その様子を見て米国が武力介入をしたりすると世の中に不安が走ります。米国による台湾への介入が活発になって中国がミサイルを近海に発射しても動揺が広がるでしょう。
このような緊迫した状況になると、各国がどのような動きをするかがわからなくなります。台湾有事に向かったときには資産を金のような安全資産に動かすのが常套手段です。
結果として金が買われて価格が上がることになります。
ただ、台湾有事は長らく続いてきた問題なので投資家も慎重に資産の動かし方を検討します。戦争が勃発するくらいの大きな有事になれば金相場への影響力が大きいですが、台湾総統選挙くらいのイベントではあまり大きな影響がありません。
あくまで世界を揺るがすような事件があったときに金相場にはっきりとした影響があると考えましょう。
台湾有事のリスクを踏まえた金投資の考え方
現状としてはアメリカの動きが活発になり、台湾有事のリスクが高まっています。
このような状況を踏まえて金投資をする際にはどのような考えを持つと良いのでしょうか。
中期的な視点での金投資の推進
中期的には台湾有事の緊張が高まるシーンが多発すると予想されます。その度に投資家が動揺して大きな資産の動きが発生するでしょう。
台湾有事の発生が懸念されると、大きな影響を受けるリスクが高い日本の市場も動揺します。金に資産を動かす傾向が強まるケースが当面は増える可能性が高いと考えられる状況です。
台湾、中国、米国の状況を追いながら、当面は金投資を進めると資産の安全性を確保しながら資産形成を進められるでしょう。
相場が乱れるリスクへの対応
本当に台湾有事が発生したときにはあらゆる相場が乱れるリスクがあります。経済に大きな影響力を持つ米国と中国が本格的に動く状況になる可能性が高いからです。
米国株式、中国株式、為替などの市場ももちろんですが、金市場も相場が乱れる可能性があります。
相場が乱れて予測不可能になったときには、撤退して安定している資産に切り替えると安心です。金資産の運用では流動性の高さを重視するとリスクを回避しやすくなります。
金地金は売りたいと思ってから売買までに時間がかかるので注意が必要です。プール共有型金資産は金の売買をスムーズにおこなえます。
台湾有事のリスクがある時勢でも安心な流動性の高い金資産なのでおすすめです。
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まとめ
台湾有事は金相場に影響を及ぼすリスクがあるので継続的に様子を確認することが大切です。中国の動きだけでなく、米国の介入についても注視する必要性が高くなりました。
2024年の台湾総統選挙によって、台湾としては中国と距離を置くことが明らかになっています。米国だけでなく、他国の介入によって台湾有事が発生する可能性もゼロではありません。
金相場は台湾有事のときには上がる可能性がありますが、相場が乱れるリスクもあります。流動性の高い金資産を保有し、台湾有事に備えるのがおすすめです。
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