2023/01/30
デジタルゴールドとは
金と関連性が深い資産としてデジタルゴールドがよく注目されています。
単純に考えると金がデジタル化されたものという意味ですが、一体何を指すのかがわからない方もいるでしょう。
この記事ではデジタルゴールドの意味と現物の金の違いも詳しく解説します。類似している部分もあるので、資産運用の際にどちらを選ぶべきかをよく考えてみてください。
目次
デジタルゴールドとは
デジタルゴールドとはデジタル化されていて金と同じような価値を持つ資産というニュアンスで生み出された言葉です。
デジタルゴールドは具体的には暗号資産として有名なビットコインを指します。
確かにビットコインはデジタル資産として管理されていますが、なぜ金と資産価値が似ていると考えられているのでしょうか。
ビットコイン=デジタルゴールドと言われる理由
ビットコインがデジタルゴールドと言われるようになったのは現金や有価証券などのヘッジ資産として注目されたからです。
ヘッジとは資産運用などにおいて、リスクを回避するために行なう投資のことで、その投資先の資産のことをヘッジ資産と言います。
ビットコインとはまだ暗号資産や仮想通貨といった言葉が一般的になる前に、サトシ・ナカモトという人物によって考案されました。
当時はサトシ・ナカモトの論文に対する批判もありましたが、ビットコインとしてシステムが確立されてからは注目されて肯定的な意見も飛び交うようになりました。
ビットコインは暗号資産の中でも最も時価総額が高く、流通量も多いのが特徴です。
資産として「デジタル通貨」に相当する新しい分野を開拓したことで世界的に運用資産の一つとして利用されるようになりました。
その際に注目されたのが金との類似性です。
ビットコインは現物資産と同様にモノとしての価値で価格が決まっていました。
多くの資産家や投資家がヘッジ資産として注目して運用するようになり、ビットコインは金と同様に世界の政治や経済などの不安が生じたときに売買される資産としての地位を獲得しています。
このような経緯があって金との類似性が高いデジタル資産=デジタルゴールドという地位を獲得しました。
デジタルゴールドと金の価格の関係
ビットコインはデジタルゴールドと言われるようになりましたが、金価格とは直接関連があるわけではありません。
デジタルゴールドと言うと金相場に連動する金ETFなどをイメージする人もいますが、ビットコインは金とは直接連動することなく取引されているので注意しましょう。
ただ、デジタルゴールドとして有名になった影響で、金と同じタイミングで売買されるようになったのではないかと考えることもできるでしょう。
DMM Bitcoinでは2020年から2022年の6月にかけての金相場とビットコイン相場についての調査・分析をしたレポートを出しています。
この報告ではビットコインと金の価格に高い連動性があるわけではないと述べています。詳細に分析するとビットコインと金の価格に相関があるときと逆相関があるときがあり、まったく関係していないわけではないことも示唆されています。
デジタルゴールドと現物の金の類似点
ビットコインは現物の金と類似性があるからこそデジタルゴールドと呼ばれています。
初めに両者の似ている部分を確認しておきましょう。
商品資産として価値がある
デジタルゴールドも金も商品資産としての価値を持つ点は同じです。
法定通貨のように国によって資産価値が定められているわけではなく、純粋に資産自体が価値を持っています。たとえ国が滅亡したとしても価値のある資産を保持できるのは共通の魅力です。
劣化するリスクがない
金は不変で劣化するリスクがない資産として有名ですが、デジタル通貨のビットコインも同様です。
劣化による資産価値の低下が起こることがないのはデジタルゴールドと金の共通点と言えます。
希少性がある
希少性がある金は埋蔵量に限りがあるので希少性が高いのが特徴です。デジタルゴールドのビットコインも発行枚数が定められている点が類似しています。
金の埋蔵量 | 約54,000トン |
---|---|
ビットコイン発行枚数 | 2,100万枚 |
デジタルゴールドの場合には追加で発行するスケジュールがあるので金ほどの有限性があるわけではありませんが、流通量が制限されていることで希少価値を持つ性質がある点は共通しています。
ヘッジ資産になる
デジタルゴールドも金もヘッジ資産として使えます。
インフレヘッジ資産として金は昔から活用されていますが、デジタルゴールドについては決済での利用も進められてきた影響でインフレ対策としては効果的と断言することはできません。
しかし、リスクヘッジの目的で保有できる資産の候補としての信頼性がある点は類似しています。
デジタルゴールドと現物の金の違い
デジタルゴールドは暗号資産です。現物の金とは資産の種類が異なるため、当然ながら資産運用をする上でも違いがあります。
両者の違いを詳しく見ていきましょう。
モノかデータか
現物の金はモノなのに対して、デジタルゴールドはデジタルデータなのが大きな違いです。
現物の金は大量になると保管するのが大変ですが、デジタルデータのビットコインなら保管スペースで困ることはありません。
現物の金も金庫などに預託すれば大量に保有することが可能ですが、保管コストがかかるのが一般的です。
徳力本店『GTKシステム』の場合
平均保管重量 | 保管料(6ヶ月) | 保管料(12ヶ月) |
---|---|---|
15,000g~10,000g越え | 7,920円 | 15,840円 |
10,000g~5,000g越え | 5,280円 | 10,560円 |
5,000g~1,000g越え | 2,640円 | 5,280円 |
1,000gまで | 1,320円 | 2,640円 |
※15,000g以降は5,000g毎に2,640円
盗難リスクの高さ
盗難リスクは金とデジタルゴールドで大きな違いがあります。
金はモノを盗難されるリスクがあるのに対して、デジタルゴールドは取引所のハッキングによって失うリスクがあります。
デジタルゴールドの場合には安全性が取引所のセキュリティ対策の良し悪しに依存しますが、金を金庫で保管して盗難リスクを下げられるのは現物取引をするメリットでしょう。
ボラティリティ
ボラティリティの高さはデジタルゴールドと金の現物で大きく異なります。
ビットコイン相場は数日で半分になるような大暴落を起こすことがあるボラティリティの高い資産です。
金も日々相場が変動していますが、高騰や暴落の幅はデジタルゴールドに比べると小さくて安定しています。
資産価値の安定性を重視したいときには金の現物を選んだ方が良いでしょう。
購入単位
ビットコインと金では購入単位に違いがあります。ビットコインの最小単位は 0.00000001 BTC=1 satoshiと定義されていますが、実際に取引できるのは0.001BTCくらいが一般的です。
ビットコインの相場が300万円のときなら0.001BTCは3,000円なので、数千円から取引をすることができます。
一方、金は1gの価格が8,000円くらいになっています。金地金を購入する場合には500gか1kgが基本なので、400万円~800万円が必要です。
業者によっては1gの金地金を購入できる場合もありますが、大きな購入手数料がかかることが多いので注意しましょう。
例:三菱マテリアルの購入手数料
購入手数料 | 1,000g、500g : 無料 |
---|---|
100g : ¥8,250 | |
20g、10g : ¥3,300 | |
5g : ¥4,400 |
プール型金地金商品を利用すれば1g単位でも金額単位でも購入できます。手数料込みで1万円から購入できるので、少額から始めやすい方法です。
まとめ
デジタルゴールドと呼ばれるビットコインは金と同様に法定通貨とは異なる価値のある資産として用いられています。
金をデジタル化したものではないため、デジタルゴールドは金と同じように価格が推移するわけではないので注意しましょう。
デジタルゴールドはボラティリティが高いのでハイリスクハイリターンの投資に向いています。
金の現物は安定した価値を生かしたヘッジ資産としての利用価値が高いのが特徴です。金は地金で購入すると単価が高く、盗難のリスクがあるのが問題とよく言われています。
しかし、プール型金商品なら購入単位を小さくすることが可能で、地金を安全に保管してもらうことが可能です。安全性の高い資産運用をしたいときにはプール型金商品を検討してみましょう。
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