2023/09/19
NFT投資と金投資の類似性と違いの比較からわかる投資価値とリスク
投資のアプローチとしてNFT投資は金投資と比較されることがあります。NFT投資は暗号資産(仮想通貨)の登場と共に注目されるようになった資産の一つです。
NFTと金にはどのような点が似ているのか、異なっているのかが気になっている方も多いでしょう。この記事ではNFT投資と金投資を比較して、投資の際の価値とリスクについて解説します。
目次
NFT投資とは
NFT投資とはNFT(非代替性トークン)の売買による資産形成の方法です。金投資との比較なら、金の代わりにNFTを売買して利益を得ることを指します。
NFTデジタルコンテンツが売買の主な対象として投資がおこなわれてきました。デジタルコンテンツはコピーできるから所有していても資産価値にはならないという問題があります。しかし、NFTによって所有者がブロックチェーン上に記録されることで、誰がどのデジタルコンテンツの所有者かがわかります。そのため、他の人が欲しいと思うコンテンツであれば価値が上がると考えられ、投資対象として注目されるようになりました。
NFTアートを皮切りにして、写真、音楽、動画、トレーディングカード、マンガ、ゲームアイテムなどが取り扱われています。また、スポーツやアイドルのファングッズなどをNFTによって所有権者を明確にするという形で権利のNFTの売買もおこなわれています。
広い意味ではNFT投資はNFT銘柄投資も含みます。NFT銘柄投資とはNFT関連事業の企業の株式に投資やNFTの売買で利用できる暗号資産の売買による投資です。ここでは金投資との類似性が高いNFTの売買による投資について比較します。
NFT投資と金投資の似ている点
NFT投資と金投資には類似性があります。
ここでは投資の性質として似ている点を紹介します。
NFTも金地金もモノとして価値がある
NFTや金地金はどちらも所有者が認められたモノとしての価値があるのが共通点です。どちらも売買のときには為替レートの影響を受けて日本円の価格は変動します。
しかし、為替レートの変動は通貨の相対的価値の変化です。NFTや金地金そのものの価値は為替レートに影響されていません。通貨価値の影響を直接受けない資産になる点は類似しています。
価値の不変性が高い
資産価値が変わりにくい点はNFTと金で似ています。NFTは芸術性を持つコンテンツで、価値を高く評価する人がいる限りはモノとしての価値は維持向上されていきます。
NFTはブロックチェーン技術によって改ざんされにくい仕組みも整えられているため、資産価値を保ちやすいデジタル資産です。金も安定した資産価値を誇ることで有名で、NFTと似ている面があります。
希少性がある
NFT投資も金投資も希少性があるために価格が上がると期待される点は同じです。NFTは販売数を限定しているので希少性があります。
金は埋蔵量や生産量に上限があるので手に入れられる量に限界がある資産です。どちらも欲しいと思う人がいるので、希少価値によって資産価値が上がる仕組みになっています。
レートを加味して日本円で購入できる
NFTも金も日本円で売買が可能です。Adam by GMO、SBINFT、miime、nanakusaなどの日本のNFTマーケットプレイスではクレジットカードでNFTを購入可能です。Adam by GMOでは銀行振込でも購入できます。金も地金商などで日本円の現金で買えます。
どちらの場合にもレートの考慮が必要な点も同じです。NFTの場合にはイーサリアムなどの暗号資産と日本円のレートで価格が変わります。金の場合にはドル円のレートの影響を受けるのが特徴です。暗号資産と日本円のレートもドル円のレートの影響があるので類似性があります。
取引手数料がかかる
取引手数料がかかるのも二つの投資で類似している点です。
手数料 | |
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NFT投資 | 購入手数料 |
販売手数料 | |
ネットワーク手数料 (暗号資産の場合) | |
振込手数料 | |
決済手数料 |
NFTでは購入手数料や販売手数料が5%~20%程度かかります。NFTの種類によってはロイヤリティが設定されていて、一次創作者にロイヤリティが発生することもあります。
また、暗号資産で支払う場合にはネットワーク手数料(ガス代)も必要です。他にも振込手数料や決済手数料なども負担しなければならない場合もあります。
一方、金投資では購入手数料はかかる場合が多いですが、売却手数料は無料なのが一般的です。
手数料 | |
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金投資 | 購入手数料 |
取引手数料 | |
送料 (金現物を送ってもらう場合) | |
保管手数料 (金庫に預ける場合) |
現物を所持するときに金を送ってもらうと送料がかかり、金を安全な金庫に預けて保管する場合には保管手数料がかかります。
プール型の金商品では手数料無料で金投資が可能ですが、他の方法を選ぶと取引手数料の負担がある点がNFT投資と同様です。
NFT投資と金投資の違う点
NFT投資と金投資には性質が違う点も多数あります。
ここではNFT投資と金投資を比較する上で留意すべき相違点を解説します。
現物があるかデジタル資産かの違い
NFT投資と金投資で重要なのが現物としての存在の有無です。NFTはデジタル資産であって金のように現物ではありません。現物資産は盗難のリスクがありますが、デジタル資産にはブロックチェーンを使用したとしてもハッキングによる改ざんのリスクがあります。
リスクファクターが異なるため、投資の際にはどちらが良いかを天秤にかけて判断することが必要です。
価値の普遍性の有無
NFT投資と金投資では資産価値の普遍性に違いがあります。NFTは作品やブランドのファンが人気や価格を左右しているのが特徴です。ファンがいなくなってしまうと価値が失われます。
作者がスキャンダルを起こしたと途端に価格が下がるといった制御できないリスクがあるのが特徴です。暗号資産やNFTの規制によって相場が下がる可能性もあります。
しかし、金は貴金属としての普遍性のある価値を持つのが特徴です。日々の価格変動はあるものの、希少性もあるので着実に価値が伸びています。
売買方法の違い
NFT投資と金投資では売買方法が異なり、金の方が気軽に買えるのが特徴です。NFT投資ではマーケットプレイスでの売買になります。
NFT投資ではMetaMaskなどのウォレットは用意しなければならない場合がほとんどです。一つあれば対応している複数のNFTマーケットプレイスで利用できますが、最初の準備に手間がかかります。
しかし、金地金は地金商で契約をするだけで購入可能です。金庫に預けるなら金庫会社や銀行との契約も必要になりますが、プール型金商品では取扱会社が保管まで対応してくれるので簡単です。金投資はオンライン取引も対面取引もできるので、売買方法の自由度が高くて気軽に始められます。
利益による税金の区分の違い
投資による利益にかかる税金の区分や損失の取り扱いは異なります。NFT投資も金投資も事業の一環として継続的に取引をしている場合には事業所得に該当します。
しかし、継続的に実施していない場合や個人の場合にはNFT投資は雑所得、金投資は譲渡所得になるのが一般的です。雑所得、譲渡所得はどちらも総合所得なので、給与所得や他の雑所得等と合わせて税率を計算し、税額を確認して確定申告をする必要があります。
ただ、譲渡所得は最大50万円の控除があるので年間利益が少額であれば課税されません。さらに、金の所有期間が5年を超えると長期譲渡所得として認められ、譲渡所得が半分に軽減されます。
また、譲渡所得は損益通算が可能なので節税に応用可能です。例えば、不動産所得で1,000万円の損失を出た年に、金を売って譲渡益を1,000万円得ても課税されないため節税になります。金投資では譲渡所得にかかわる税制を生かせる点で高度な運用ができる魅力があります。
比較からわかる投資の価値とリスク
NFT投資と金投資はどちらも現物資産を取り扱います。ただ、NFT投資はハイリスクハイリターンです。NFTの価値はトレンドに流されやすい性質があるからです。過去には1000倍以上もの価値になったNFTもありますが、価格が伸びないどころか低下しているNFTもあります。
一方、金投資はローリスクミドルリターンです。金は20年で9倍に価値が伸びてきました。短期的にはミドルリスクですが、長期的にはローリスクで資産価値は着実に上がっていきます。堅実な中長期投資をするには金投資が適しているのは明らかでしょう。
NFTも金も現物資産なので流動性の課題があるのは共通です。金の場合にはプール型金商品を利用すれば流動性のリスクも回避できます。現物を手元に持たずに安全な管理ができる点でも優れているので、金投資による資産形成をするときにはおすすめの投資方法です。
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まとめ
NFT投資と金投資は不変性の高い価値のあるモノを運用できる点は共通しています。デジタルか現物か、予想外の価値変化が起こるリスクが高いかといった違いはあるので、投資対象としては性質が異なるものとして考えるのが適切です。NFT投資は話題性による影響が大きいため、ボラティリティがあります。
安定的な資産形成をするには金投資の方が優れているでしょう。金投資は税制を理解すると節税しやすいメリットもあります。
ボラティリティを生かした短期投資を考えるならNFT投資、今後の資産形成を中長期的に考えているなら金投資が適切でしょう。
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