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2023/02/21

老後対策に現物の金を運用する魅力と注意点

老後対策に現物の金を運用する魅力と注意点

老後対策として金に興味を持っている方もいらっしゃるでしょう。

老後資金対策をしなければならないと知って、どのような資産を持ったら良いか悩むことも多くなりました。

この記事では老後対策として現物の金を運用する方法が良いかどうかをわかりやすくご紹介します。

魅力的な点と注意点を分けて解説するので、金の運用を検討する際に参考にしてください。

老後対策には資産運用が重要

老後対策として資産運用が必要とよく言われるようになり、資産の一つとして金が着目されています。

まずは簡単に老後資金を考える上で資産運用が重要という認識が広まってきた理由を確認しておきましょう。

老後資金は年金だけでは厳しい

老後資金は本来的には年金でまかなえるはずだと考えられます。

しかし、少子高齢化の影響を受けて、年金を受け取れるシニア世代になったとしても、想定したような金額の年金を受け取れないリスクが生じてきました。

年金を支えている現役の労働者層が、高齢者層に比べて人口構成として割合が低くなってしまうからです。

2020年時点での人口構成
労働者層
15~64歳

約5,984万人

高齢者層
65歳以上

約3,534万人

現役で働いている人たちが納める年金保険料によって年金はまかなわれているので、納入額に対して年金の支払額が大きくなったら国庫が破綻します。

少子高齢化によって年金不安が生じているのが現状です。 老後2,000万円問題が話題になって老後対策の必要性が広く認識されるようになりました。

老後2,000万円問題とは

金融庁の審議会において、老後に20年~30 年程度で必要な生活費は夫婦世帯の場合には2,000 万円くらい不足するという試算を公表したことを発端に巻き起こった問題です。

老後資金の悩みが深く認識されるようになり、金も資産の一つとして考える人が増えてきています。

資産運用をすれば老後の安心感が増える

老後のために資産運用をしようという考え方は、老後2,000万円問題が浮上する以前から認識が生まれてきていました。

老後の生活を豊かにするには資金があるに越したことはありません。

医療や介護のために資金が必要になる可能性もあるので、できるだけ老後資金を蓄えておきたいという声はもともとありました。

老後の安心感を増やすには、余剰資金を使って資産運用をした方が良いのは確かです。

資産運用によって少しでも増やしたいという考えは今に始まったことではありません。

人生をずっと豊かに暮らしていくには、老後資金を考えて若いうちから対策をするのが大切です。

老後対策に現物の金を運用する魅力

老後対策の資産運用にはさまざまな方法があります。

現物の金が注目されているのは魅力が大きいからです。どのような点が魅力なのかを見ていきましょう。

価値が上がり続けている

金は価値が上がり続けているので老後対策の資産として適しています。

日々、価格は上下に変動していますが、十数年や数十年という期間で見ると金の価格は上がってきているのが特徴です。

年(5年毎) 金価格(単位:ドル)
2020年

2,067.15

2015年

1,298.00

2010年

1,426.00

2005年

537.50

2000年

316.60

1995年

396.95

1990年

423.75

1985年

340.90

1980年

850.00

1975年

186.25

老後を見据えて保有しておく資産としては、価値が伸び続けている現物の金は魅力があります。

シンプルでわかりやすい

現物の金を持つのは資産運用の方法としてシンプルでわかりやすいのが魅力です。

株式投資や投資信託、商品先物取引やFXなどのさまざまな資産運用方法がありますが、仕組みを理解するのが大変でとっつきにくいのが問題になります。

現物の金による資産運用は「モノ」として金を買って保有し、現金が必要になったら売るというだけの簡単な仕組みです。資産運用の初心者でも気軽に始められます。

買い方にバラエティがある

金は買い方がたくさんあるのも魅力です。

現物の金の買い方
純金積立 金地金
金貨 プール共有型

金そのものを現物として買いたいなら金の延べ棒とも言われる金地金を買うことができます。

金貨を購入したり、純金積立で金地金を積立預金のようにして購入したりするなど、さまざまな買い方があります。

プール共有型金商品も近年注目されている金の購入方法で、金額や数量を指定して自由に売買できるだけでなく、金地金を安全な場所に保管手数料無料で預けておくことができます。

このようなバラエティが生まれているお陰で、誰もが資産運用に使いやすくなっているのが現物の金の魅力です。

保有していても固定資産税がかからない

現物の金は固定資産税がかかりません。

土地や建物を購入して資産にして老後対策にする方法もよく選ばれていますが、固定資産税を毎年納めなければならないのが問題になりがちです。

固定資産税評価額の大きさによって金額には違いがありますが、一般的な土地や建物なら数十万円くらいの税金を納める必要があります。

固定資産税がかかるのは不動産なので、動産である金には税金がかかりません。

長期保有をしても税金負担がないので、老後対策に持つ資産として優れています。

老後対策に現物の金を運用するときの注意点

老後対策として現物の金を運用するときには気をつけた方が良いポイントがあります。

他の資産運用との違いも考慮して、合理的な形で資産運用をしていきましょう。

現金にするタイミングによっては目減りする

現物の金を老後対策として運用するときには、現金にするタイミングについての意識が必要です。

金相場は変動していて下がるときもあるため、現金が必要になって売りたいと思ったときにたまたま金相場が低いこともあり得ます。

2月20日17時までのチャート
2月20日17時までのチャート

長期的には右肩上がりで金相場は上がっていますが、日単位で見れば下がるケースもあるので注意が必要です。

すぐに現金化できるとは限らない

現物として金を保有するとすぐに現金化できない場合もあるのが注意点です。

金は「モノ」なので買ってくれる相手がいないと現金にはできません。

急な出費があって現金が欲しいというケースは老後になると珍しくはありません。

怪我をして医療費が必要になったときに金で支払うことはできないので、まずは現金化する必要があります。

流動性が高い形で金資産を保有しておかないと、いざというときに困ってしまうことがあるので気を付けましょう。

運用していてもインカムゲインはない

現物の金を持っていてもインカムゲインはありません。

預金をしていれば少しでも利子が付きます。株式投資なら配当金、投資信託なら分配金、債権なら利子が払われるので、少しずつ資産を増やせると期待できます。

インカムゲインで老後資金を増やしたいと思っている人には現物の金はあまり適していません。

金相場が上がるという想定でキャピタルゲインを期待する人や、金の売買を通してキャピタルゲインを出したい人に向いています。

遺産として残すと相続税がかかる

金は遺産として遺族に残したときに相続税がかかるので注意しましょう。

その時点の時価で計算されるため、金相場が上がっていくと相続税評価額が高くなります。

金の相続税評価額計算方法

相続開始日の業者買取価格(税込)× 保有グラム

遺産相続の前に売却して現金にしても相続税がかかりますが、土地などの不動産のように減額される制度はありません。

ただ、現物の金を遺産として残しても特に問題になるわけではなく、相続税の支払いが厳しいときに売って現金にすることもできます。

相続税対策にはならないというくらいの認識をしておくと良いでしょう。

まとめ

老後対策に現物の金を運用するのは、結論としては合理的です。

資産としての価値は上がっていく可能性が高いので、早い段階から金を保有すれば資産が増える可能性があります。

インカムゲインはないのが注意点ですが、キャピタルゲインについては安心感があるのが金の特徴です。

金の買い方にはさまざまな方法があるので、老後に困ったときにすぐに現金化できる流動性がある資産を持った方が良いでしょう。

プール共有型金商品はいつでも売買できるので、必要なときにいつでも現金にできる資産として老後対策に活用しましょう。

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