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2024/09/25

金の高騰が続く世界で金を買うべきか―5つの重要な視点

金の高騰が続く世界で金を買うべきか―5つの重要な視点

金の価格は中長期的な視点で見ると上昇が続いています。金の高騰が続いていると、買うべきかどうか悩む人も多いでしょう。

この記事では金の高騰が続く状況で、値上がりを期待して買うべきなのかを解説します。金の高騰時に持つべき重要な視点も紹介するので、金を買った方が良いかを慎重に考えてみましょう。

金が高騰している今、金を買うべきではない理由

金の高騰が進んでいる現代では金を買って投資を始めるべきではないという意見があります。相場が上がっているなら投資すれば良いと思う人も多いでしょう。

まずはなぜ金を買うべきではないと考えられるのかを解説します。

市場の原理では金価格が下がるリスクが高いから

投資では市場の原理に基づいて相場の変動を予測するのが教科書的には原則です。市場の原理によると、金が高騰したら売られて相場が下がります。

現状の金相場の高騰は一時的なものであって、すぐに下がるから買うべきではないというのがよくある見解です。

安全資産としての価値が揺らぐ可能性があるから

金は安全資産として資産運用に活用されてきました。株式指数と金相場が逆相関の関係にあったことに着目して、株式投資のヘッジ資産として金への投資がおこなわれてきた歴史があります。戦争などの有事にも価値が上がる傾向がありました。

ただ、近年では株式指数が上がっているときにも金相場が上がる現象がよく見られています。紛争やパンデミックによって世界的な不安が生じたときにも、必ずしも金が高騰するとは限らない時代になりました。

金が「有事の金」ではなくなりつつある懸念から、金に不安を感じて買うべきではないという見解が生まれています。

金が高騰していても金を買うべき理由

金が過去とは違う様相を持ちながら高騰している現状では、買うべきではないという守りの視点を持つのももっともなことです。しかし、今こそ金を買うべきという見解もあります。金投資を進めるべきと考える投資家はどのような視点を持っているのでしょうか。

埋蔵量・産出量に限界があるから

金は現物として持っていれば価値が上がる方向にしか進まないという考え方があります。金は埋蔵量が限られていて、毎年の産出量も国や関連機関によって制限されています。金の産出国にとっては価値の維持向上が大きな課題です。

ポイント
  • 各国が協力して金の価値を守る政策を推進しているので、金の価値は長期的に下がることはないというのが、金を買うべきと主張する投資家の典型的な意見です。

金は宝飾品としてもエレクトロニクスなどの素材としても貴重なので、価値が揺らぐことはないと考えられるでしょう。

多少下がってもインフレ対策になるから

金は日々刻々と相場が変わっています、日次で考えると下がる日もたくさんありますが、金投資を推進する投資家の多くは、金相場の多少の変動はあまり気にしていません。世界的にインフレが続いている時代だからです。

インフレになると貨幣の価値がモノに対して相対的に下がります。現金はインフレが進むと実質的な価値が下がりますが、モノは物価が上がると貨幣に対する価値が上がります。

ポイント
  • インフレが進む限りは金のモノとしての価値は上がり続けると考えられるので、金に投資すべきと考えられています。

「有事の金」の良い側面は残されているから

有事の金として金資産は昔から注目されてきました。

戦争やテロ、パンデミックなどの大きな事件が発生して、世界の経済動向が読めなくなったときには株式や債券などの有価証券や為替が大きく変動します。場合によっては国が滅亡し、紙幣が紙切れになる可能性もあります。このようなときでも世界的に価値が認められている金は安定した価値を持つ資産です。

ポイント
  • 金は有事のときに持っていると安心という点には違いがありません。

金の高騰時に持つべき5つの視点

金が高騰する最中では金投資に対して賛否両論があります。ここでは金相場が上昇しているときの金投資の判断で重要な視点をまとめました。金に投資すべきかどうかを正しく見極められるように基本を押さえておきましょう。

一時的な高騰ではないことを確認する

金相場が高騰している原因を確認し、一時的な変動ではないとわかってから投資をすることが重要な視点です。物価が上がれば金の価格は上がります。一時的な特定の商品の価格高騰が原因で釣られ高になる場合があります。

また、現物への投資としてよく注目されている原油などが下がる可能性が示唆されたときに、金が買われて一時的に金相場が上がる場合もあります。

ポイント
  • OPECなどの発表には注意して、一時的な値上がりのタイミングを避けて買うのが重要です。

米ドル円の為替相場を加味する

米ドル円の為替相場を確認して、レート変動リスクを加味して投資判断をすることが重要です。米ドル円のレートが上がって円高になれば、円建ての金相場は低くなります。ドル建てでは金相場が上がっていますが、円建てでは米ドル円の影響を受けるので一概には言えません。

ポイント
  • 円高になったときに買い、円安のときに売るのが合理的な売買方法です。

景気の変動を確認して戦略を練る

世界経済は金相場に影響を及ぼすので、今後の景気の変動を考慮して戦略を立てるのがおすすめです。世界的に景気が良くなると株式相場が上がります。企業の業績が上がると期待される状況だからです。債券などの企業にかかわる有価証券の価値も上がりやすくなります。

景気が良くなると消費活動が活発になってモノが売れるため、物価が下がる傾向も生まれます。結果としてモノの資産を売って有価証券を買う動きが強まり、モノの価値が相対的に低くなるのが一般的です。

ポイント
  • 金相場も景気が良くなったときには下がる可能性があり、景気が悪くなるときには逆に金相場が上がる可能性が高くなります。

売りのタイミングをイメージする

金を買ったら高値で売って現金に戻すことで資産を増やせます。売るタイミングをイメージできることが金投資をするうえで重要なポイントです。いつ売れば良いかをイメージできるタイミングは買い時です。金が高騰していて、最高値になるのがいつなのかが予想できる場合には、金を買った方が良いでしょう。

注意

先行きが不透明で高騰し続けるのか、急落するのかがわからないときには慎重投資が必要です。

急変を考慮して売買しやすい方法を選ぶ

金相場は機関投資家による売買や金産出国の政策などによって急変する場合があります。安いタイミングで購入して、高いタイミングで売却するのが理想的な金投資です。タイムリーに売買できる金資産を選んで流動的な投資をしましょう。

金が高騰するときは買い時でも売り時でもあります。一時的な急変で上がったならすぐに売るのが合理的でしょう。ただ、金は買い手が見つからなければ売れません。急変が起きて金相場が上がったときに買いたいと考える人は少ないでしょう。なかなか売れずにまた金相場が落ちついてしまう場合もあります。

売りたいタイミングでタイムリーに現金にできる方法を選ぶのがおすすめです。

まとめ

金が著しく高騰する時代になり、金を買うべきか迷う時勢になっています。買うべきではないという意見もありますが、金は投資をする上でユニークな特徴を持っていてポートフォリオの価値が大きい資産です。

金は希少価値があって今後も価値が上がると期待されます。米ドル円の為替レートの変動によって金相場が下がる状況も見られますが、米ドル建てで見れば金は着実に価値が伸びています。

ポイント
  • 金の高騰時にはじっと値上がりを待って高値になった時点で速やかに売ることが重要です。

また上がる状況なら追加投資をすれば利益を増大させられます。金相場の急変が起こるリスクも考慮して、流動性の高い金資産を持って投資を進めましょう。

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