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2023/10/12

金CFDのリスクは?特徴とプール共有型との違い

金CFDのリスクは?特徴とプール共有型との違い

金CFDが金の価値に着目して投資する方法として台頭してきました。金投資の方法として金CFDは候補の一つになりますが、どのような特徴がある投資なのかを詳しく知らない人もいるでしょう。

他の金投資と比較してリスクが大きいのならやめたいと思うのが当然です。この記事では近年注目されている金CFDについて特徴とリスクを詳しく解説します。

プール共有型金商品と金CFDの違いも紹介するので参考にしてください。

金CFDとは

金CFDとは金の相場価格をCFD取引でおこなう方法です。金相場の変動に基づいておこなうデリバティブ取引で、売買による差額で利益を得る仕組みになっています。

CFDとは

CFDとは「Contract For Difference」の略称です。CFDは日本語では差金決済と呼ばれます。CFDは取引の開始時点と終了時点での差額分の利益または損失が発生する投資です。

例えば、金CFDでは金の購入価格が1gあたり10,000円のときに5,000円の購入注文を出し、売却価格が1gあたり10,500円になった時点で売却したとします。

この取引では1gあたりの相場価格に応じて売却価格が計算され、5,250円が戻ってきて差し引き250円の利益を得られるという仕組みです。

金CFDで250円の利益
購入注文 5,000円 ※金価格が1gあたり10,000円
0.5g相当の金を購入
売却注文 5,250円 ※売却価格が1gあたり10,500円
0.5g相当の金を売却

逆に売却価格が9,500円になっていたら、決済をすると4,750円が戻ってきて250円の損失になります。

金CFDで250円の損失
購入注文 5,000円 ※金価格が1gあたり10,000円
0.5g相当の金を購入
売却注文 4,750円 ※売却価格が1gあたり9,500円
0.5g相当の金を売却

金現物取引との違い

金投資として最も典型的なのは金現物取引です。金相場の変動によって売買価格が変わり、安いときに買って高いときに売れば利益になる点では金現物も金CFDも同じです。

しかし、金現物取引では購入した金地金や金貨が現物として手に入ります。金CFDはあくまで金相場に基づいて証券会社と取引をする投資なので、金そのものは手に入りません。

金を物的資産として保有したいときには金CFDよりも現物取引が適しています。

金ETFとの違い

金ETFは金相場と同じように基準価額が動くように設計されたインデックスファンドです。金ETFは市場に上場していて売買の自由度が高い投資信託になっています。

金CFDと同様に金ETFも金地金や金貨を保有するわけではありません。金ETFで投資をするときには証券を通して売買をします。

金CFDとは違い、市場が開いているときにしか売買はできません。運用会社の実績によって金相場とは異なる価格変動を起こすこともあります。

金CFDの魅力的な特徴

金CFDが投資方法として注目されているのは、金とCFDの両方の特性を生かせるからです。金CFDの魅力的な特徴を見ていきましょう。

売りポジションを取れる

金CFDはポジションという概念で取引をする仕組みです。金CFDでは売りポジションから取引を始められます。金現物の場合には金地金や金貨を買うことから投資を始めることが必要です。

しかし、金CFDでは金を持っていなくても売ることから投資ができる仕組みになっています。

金現物取引

例えば、金相場が10,000円のときに1,000円の買いポジションを取り、相場が900円になった時点で決済したら100円になって損失をします。しかし、売りポジションを取っていたら、「1,000円で売る予定にしていた金を900円で買った」と見なされ、差額の100円を利益になります。

金CFDでは金相場が上がると予想されるときだけでなく、下がる予想のときにも売りポジションを取って利益を出すことが可能です。

レバレッジをかけられる

金CFDではFXと同様にレバレッジをかけられるのが特徴です。一般的には金CFDでは証拠金取引に対応しているからです。金CFDでは最大で20倍のレバレッジをかけて取引できます。

例えば、5万円を証拠金として使用し、20倍の100万円で取引をすることができます。金相場が10%上がったときに、5万円の買いポジションで運用していたら5,000円の利益です。

しかし、20倍のレバレッジをかけていたら110万円で決済されるため、利益は20倍の10万円になります。

取引金額 利益
レバレッジ1倍

5万円

5,000円
(金相場が10%上がったと仮定)

レバレッジ20倍

100万円

10万円
(金相場が10%上がったと仮定)

金CFDでは実際に持っていない資金を使って取引して利益を出せるのがメリットです。

短期ボラティリティが高い

金CFDはCFDの中でも短期的な視点でボラティリティが高いのが特徴です。金は活発に取引されている資産で、平日は大きな価格変動が起こります。

CFDは差額で利益を得る取引なので、短期ボラティリティが高いとわずかな時間で大きな利益を得るチャンスを獲得できます。

金CFDのリスク

金CFDは取引しやすい投資方法です。しかし、大きなリスクもはらんでいるので注意しましょう。

ロスカット

金CFDではロスカットがあります。金CFDは証拠金取引で、損失が発生したときに証拠金による支払いができない金価格になると強制的にポジションを解除されるのが特徴です。

大きな取引によって金相場が下がった瞬間にロスカットになることもあります。一時的な変化ですぐに価格が元の相場に戻ったとしても、ポジションが失われて損失になります。

追証

追証は追加証拠金のことで、ポジションの決済をしたときの損失が証拠金よりも大きくなったときに発生します。

証拠金の不足分は追証として支払わなければなりません。

金CFDでレバレッジ取引をしなければ追証の問題は生じません。しかし、少額資産の活用ではレバレッジを使用して投資効率を上げたいでしょう。

金相場の急変によってロスカットが発生し、追証を支払うことになるリスクがあるので注意が必要です。

金CFDとプール共有型金商品を比較

金CFDと同様に売買が簡単な金投資の資産としてプール共有型金商品があります。プール共有型金商品は金CFDと何が違うのでしょうか。

手数料がスプレッドのみでわかりやすい

金CFDもプール共有型金商品も取引手数料がかからないのが一般的です。購入価格と売却価格の間にスプレッドがあって、差額分が手数料に相当します。

スプレッド以外の手数料がないので利益確定でも損切りでも損益がわかりやすいのが共通点です。

金現物の保有の有無

金CFDではあくまでポジションの売買であって金現物を保有することはありません。

しかし、プール共有型金商品では金証書を受け取り、金現物の所有権を手に入れられます。

投資できる期間の違い

金CFDではロスカットによって強制的に投資を中断させられるリスクがあります。

プール共有型金商品ではロスカットはなく、希望のタイミングで売買可能です。

レバレッジによるリスクの違い

プール共有型金商品ではレバレッジをかけられません。レバレッジをかけられる金CFDに比べると少額資産によって大きな投資をすることは困難です。

しかし、レバレッジをかけることで追証などのリスクを負うことがないのはプール共有型金商品のメリットです。リスクの少なさを重視するならプール共有型金商品が優れています。

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プール型金商品の詳細はこちら

まとめ

金CFDは差金決済による取引をする投資です。ポジションを取ったときの金相場と、決済したときの金相場の差額が利益や損失になります。

買いポジションも売りポジションも取れるので、金相場が下がっているときにも利益を得られる魅力があります。

しかし、レバレッジをかけて資産を増やそうとすると、失敗したときに追証の支払いが必要になることもあるので注意が必要です。ロスカットによってポジションが失われることもあるため、長期投資には向いていません。

プール共有型金商品は金CFDと同様に売買をしやすく、ロスカットや追証もない仕組みになっています。リスクの低い金投資ならプール共有型金商品を検討しましょう。

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